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水と緑のめぐみと自然体験~奥多摩町~
奥多摩駅周辺奥多摩町は、都内の区市町村の中で一番面積(めんせき)が広く、町の94%が森林です。
多摩川(たまがわ)や日原川(にっぱらがわ)が流れる水のゆたかな町でもあります。
都民の貴重(きちょう)な水源(すいげん)である、小河内(おごうち)ダムがあることでも有名です。小河内ダム
奥多摩町のわさび田
町ではむかしから林業がさかんでした。江戸時代(えどじだい)には、伐(き)り出した木材(もくざい)をいかだに組んで、多摩川から江戸の町まで運んでいました。
きれいな川の水を生かしてワサビづくりをしたり、山の斜面(しゃめん)では山菜をつくっています。
また、石灰(せっかい)の採掘(さいくつ)も、むかしから行われてきました。
奥多摩町は、観光(かんこう)の町としても知られています。町には日本一多い巨樹(きょじゅ)を生かしたセラピーロードがあります。また、温泉施設(おんせんしせつ)や、日本の水源百選(すいげんひゃくせん)にえらばれた、清流を生かした観光施設(かんこうしせつ)も多数あります。
奥氷川神社 三本杉
奥多摩都民の森 体験のようす
東京都でもっとも高い山や、御前山(ごぜんやま)、三頭山(みとうさん)があり、ハイキングから本格的(ほんかくてき)な登山まで、いろいろな楽しみ方ができます。
奥多摩町へは都心から二時間もかかりません。今では、年間170万人以上の観光客(かんこうきゃく)がおとずれています。東京でいちばん高い「雲取山」からの眺望
栃寄 (とちより)地区にある「奥多摩体験の森」では、植栽(しょくさい)・間伐(かんばつ)などの林業や、山里生活を体験できます。季節(きせつ)にあわせて、森林と積極的(せっきょくてき)にかかわっていくことができます。
奥多摩体験の森
そして忘れてはならないのが奥多摩のグルメです。奥多摩のきれいな川で育った、ヤマメのさしみや、名産品のワサビをきかせたそば、地元の猟師(りょうし)さんがとったシカ肉の竜田揚げ(たつたあげ)などが食べられます。
手打ちそば
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ゆたかな自然と木のぬくもり ~檜原村~
浅間尾根(檜原村)檜原村(ひのはらむら)は、東京都の西に位置しています。南がわを神奈川県(かながわけん)、西がわを山梨県(やまなしけん)と、それぞれとなりあっています。急な山にかこまれ、中央を標高(ひょうこう)1000m近い尾根(おね)が東西に走っています。平地が少なく、集落は村を流れる秋川(あきがわ)ぞいに集中しています。
村の面積(めんせき)は、93%が森林です。ゆたかな森林や秋川の清流は、多くの動植物を育み、「自然の宝庫(ほうこ)」「東京都の奥座敷(おくざしき)などといわれています。
夢の滝 /ご提供:檜原温泉センター数馬の湯村には払沢の滝(ほっさわのたき)をはじめ、50か所以上の滝めぐりや、神戸岩(かのといわ)があります。れきし・文化遺産(ぶんかいさん)を見られる郷土資料館(きょうどしりょうかん)もあり、観光(かんこう)ルートがじゅう実しています。
また、野鳥観察(かんさつ)・木工教室・丸太切りなど、いろいろな体験(たいけん)ができる「檜原都民の森」も人気があります。村の一番奥にある数馬地区(かずまちく)には、昔ながらの“兜”造り(かぶとづくり)の建物を活かした民宿もあり、多くの観光客(かんこうきゃく)に親しまれています。
村の産業(さんぎょう)は、かつてはゆたかな森林資源(しげん)を活かした、林業や炭の生産(せいさん)、養蚕(ようさん)が中心でしたが、今では製材業(せいざいぎょう)や採石業(さいせきぎょう・山の石を採取する仕事)、観光業(かんこうぎょう)などがさかんになっています。
檜原都民の森
兜造りの建物そこで、檜原村では、森林の手入れを行う、木の伐採(ばっさい)や出荷にかかる費用に補助金(ほじょきん)を出す、村が作っている建物に木を使うなどの取組(とりくみ)を通して、林業の支援(しえん)を行ったり、村をおとずれた人々が林業体験をできるイベントを開いたりして、村の大切な資源である森林をむだなく使えるようにしています。
製品(せいひん)として利用できない木材も薪(まき)にして利用しており、都内のレストランなどから多くの注文があります。温泉センター「数馬の湯(かずまのゆ)」でも、村で作られた薪が、燃料(ねんりょう)として使われています。
檜原温泉センター 数馬の湯
木のおもちゃ「清流のモビール」平成26年に村では、「ウッドスタート宣言(せんげん)」を行いました。「ウッドスタート」とは、子どもをはじめとする全ての人たちが、木のぬくもりを感じながら、楽しくゆたかにくらしを送ることができるようにしていく取組です。
村では、地元の職人(しょくにん)さんが檜原村の木材で作ったおもちゃを、村の赤ちゃんにプレゼントする取組を始めました。
このように、地元の木を使えば森林整備(せいび)も進みます。林業がさらに元気になれば、村の中ではたらく人をふやすこともできるかもしれません。
森を受けつぐ
山主(林業家) 田中惣一 さん