東京の木・森のしごと

2-1 林業のながれ

1植栽しょくさい

木の苗(なえ)は、森に植える前に畑で3年ほど大切に育てます。この苗木を、10m²あたり約3本植えつけます。植えつけは、春または秋に行います。

植栽する場所は、木を伐(き)ったあとの森。苗木がよく育つよう、雑草(ざっそう)や、伐採(ばっさい)した木の枝(えだ)などをかたづけてから、植え付けを行います(地拵え)。

木を伐ったあとの森林に苗木を植え、新しい木を育てることを、「再造林」といいます。

2下刈したがり

植栽した苗木の成長をさまたげるのは、雑草や雑木(ざつぼく)です。

これをかり取らないと、せっかく植えた苗木が雑草のかげになり、かれてしまいます。

植栽した後の5~7年間、毎年夏に行います。

若い木の根元に伸びた雑草を、帽子をかぶり長袖を着た人々が刈り込む風景

3つる切り・除伐つるきり・じょばつ

つるがまきついたり、雑木が生えてくると、植栽した木の成長をさまたげるので取りのぞきます。

つる等の成長期の夏に行います。

4枝打えだうち

苗木は、植栽してから10年~15年で4m~8mほどの高さに成長します。枝が多いと、周りの木と重なりあい、森林の中を暗くさせたり、害虫がつきやすくなります。

そのため、枝を付け根から切り落とします。枝打をすると、節が少なく、太さが同じで使いやすい木材になります。

秋から春の寒い時期に行います。

5間伐かんばつ

順調に育つと、森林の中がだんだんこみあってきます。放っておくと、木が細く弱ってしまいます。森林のこみ具合におうじて、伐採することで、健康な木を育てます。

利用できる間伐材を搬出(はんしゅつ)すれば、資源(しげん)をむだなく使うことができます。

6主伐しゅばつ

大きくなって、利用できる時期になった木を伐採します。

伐採する年れいは、木の種類や使い道によって変わります。


7搬出はんしゅつ

山の中で伐採した木は、林道などの広い道のわきまで運び出さなくてはなりません。この作業を「搬出」と言います。搬出には、山と林道の間にケーブルをはってつるし出す方法や、専用(せんよう)の道を山の中に通して、車に積んで運び出す方法などがあります。現場で働く人は、山の傾斜(けいしゃ)や林道までの距離(きょり)、運び出す木の重さなどを見ながら、現場に合った搬出方法を決めていきます。

林道まで木を搬出した後は、チェンソーや林業機械を使って枝や葉をはらってから、使いやすい長さに切って、トラックに積んで、原木市場や製材所(せいざいしょ)などに運びます。

8市場いちば

日の出町にある多摩(たま)木材センターは、東京でただ一つの原木市場です。

決まった日に製材(せいざい)業者が集まり、丸太を取引しています。

製材業者は、太さや色、まっすぐさなどを見て、目的に合った丸太を探し、ねだんを決める競り(せり)に参加します。

競りでは、良質な材であったり、ほしい人が多いとねだんが上がるため、製材業者は、真けんに見極めて、ねだんを付け、競り落とします。



森を整びする

森林施業プランナー 宇田うだ尚史なおし さん

森の手入れ

林業 宇佐美うさみせい さん

伐採の仕事

林業 山﨑やまざき和彦かずひこ さん

森ではたらく

林業 佐野さの千草ちぐさ さん

林業をそだてる

林業 小机こづくえあつし さん