東京の木・森のしごと

3-7 森林と自然災害

伊豆いず大島台風26号災害さいがい平成へいせい25年(2013年)発生]

大島台風26号災害と復旧の写真

大島
東京から南やく120kmに位置(いち)する島。
面積(めんせき)91km2、周囲(しゅうい)52km

大島位置図
「この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を使用した。
(承認番号 平30情使、第920号)」

災害さいがい概要がいよう

平成25年10月に発生した台風26号は、伊豆大島に10月16日未明(みめい)に最接近(さいせっきん)しました。この時、伊豆大島で観測史上(かんそくしじょう)1位となる最大(さいだい)時間雨量(うりょう)122.5㎜/時間、連続(れんぞく)雨量824.0㎜を観測しました。これは、10月の月平均(へいきん)降水量(こうすいりょう)のやく2.5倍に相当する雨量が1度にふるという猛烈(もうれつ)な豪雨(ごうう)でした。

この記録的(きろくてき)豪雨により、伊豆大島最大の集落である元町地区の上流(じょうりゅう)において大規模(だいきぼ)な崩壊(ほうかい)が発生し土石流が市街地(しがいち)を襲(おそ)うなど、治山事業で対応(たいおう)する山地災害(さいがい)が大島全体で11カ所確認(かくにん)されました。

災害さいがい復旧ふっきゅう概要がいよう

災害からの復旧は、被災(ひさい)した平成25年から始まり平成30年3月までにのべ20件(けん)の工事を行い、台風により荒廃(こうはい)した5つの渓流と約8haの崩壊地の復旧をしてきました。

泉津沢せんづざわ【1】【2】

大島町泉津にある泉津沢という場所で、さわのまわりの斜面(しゃめん)がくずれて土砂(どしゃ)がさわに落ちました。その土砂がさわの下流にある集落まで流れて大きな被害が出ました。崩壊した斜面をできるだけ早く安定化させるために、【1】のような山腹(さんぷく)工を行いました。また、さわの中にはふたたび下流へ流れ出るおそれのある不安定(ふあんてい)な土砂が残っていたので、【2】のような渓間(けいかん)工を行いました。

  • 工事期間:平成25~28年
  • 工事概要
    山腹工:土留(どどめ)工21基(き)ほか
    渓間工:治山ダム5基

不重ふじゅう

大島町泉津にある不重という場所で、豪雨により斜面が大規模に崩れて、下流の町道などに土砂が流れ出ました。崩壊した斜面をできるだけ早く安定化させるために、山腹工を行いました。

  • 工事期間:平成28年
  • 工事概要
    山腹工:土留工5基・筋(すじ)工625mほか