平成24年に開園した立川市の森の子保育園は「人を愛し、自然を愛し、自分を愛する子ども」を保育理念に掲げ、住宅街の中にある保育園ですが畑や緑に囲まれた静かな環境にあります。
森の子保育園の保育活動の中心にあるのは、「本物を子どもに体験させる」ということです。
土に触わり野菜を育てる、花を活けてランチルームに飾る、0歳から本物の陶器で食事をするなど子ども達が本物に触れることは、人間形成・思想形成の根幹となる体験であると考えています。
森の子保育園では、子ども達の豊かな「原体験」を大切に、卒園後もそのしっかりとした根っこで大きく伸びていくことを確信しながら、保育活動を行なっています。
出発点は“森”の子保育園。
その名にたがわぬ“森の庭”を作ること。
森の子保育園では保育の3本柱として
「モンテッソーリ教育」
「自然体験活動」
「食育活動」
を取り入れています。
その中で子ども達の育つより良い環境を考えていたときに「木育」と出会いました。
木育事業を利用し、園庭に木製の大型遊具を取り入れ、拡大した園庭部分には子どもたちがより多くの自然に触れることができるよう、たくさんの植物が植えられています。畑で栽培活動を行ったり園庭の果樹を使って染色活動を行ったりと、保育の中の様々な場面で、自然に触れる体験を取り入れています。
園庭でさまざまな植物に囲まれて生活する中で木の良さを感じられるようにしています。また、五感すべてで感じ成長する大切な乳児期は、木製の家具を多く使用した環境にしています。
木育活動を続けることによって、子どもたちが自然の中で豊かな経験を重ねながら自然への理解を深め、情緒を育み、いつも自然を感じることができるようにしています。
森の子保育園の木育活動を紹介します。
1年を3つのステップに分け、活動を行っています。
主な活動
主な活動
主な活動
子どもたちがノコギリで丸太を切る体験をしています。
職員は園庭にある多くの木々や植物の名札として木のプレート作りをしました。
年長児が一年掛かりで、制作しています。
春にマリーゴールドの種を植えるところから始まり、花を咲かせ、写生した後に収穫、保存・乾燥させ、冬には煮出して草木染を行います。 染め方は糸を使って絞る絞り染め、割り箸などで締めて染める板締めなどの技法を用いて様々な表現をしています。マリーゴールドの他にも保育園でできたザクロや桃など、果物の皮も使用します。 桜の枝から抽出した染液でピンク色に染めることも思案中。
その年の収穫によって、色が違うところに面白みがあります。
昔は身近にあった自然ですが、今の世代には積極的に取り入れなくては、なかなか触れることのできないものになっています。
そこで、森林の大切さを伝えるには、まず職員が積極的に学ぶ体制をつくることが必要と考え、「木育インストラクターの取得」「職員研修」を行っています。
木育についても同様に、日々の保育の中に自然に取り入れています。
木製の家具を多用し、園庭で様々な植物に囲まれて生活する中で、木の良さを感じられるようにしています。
また、計画的に木育を保育に組み込むことで、木への興味関心を持ち、知識へと繋げています。
自然体験保育を柱の一つに掲げ、保育の中で様々な活動を行っていますが、園庭の植物の維持管理には保護者にも協力していただいています。
より多くの保護者にも、森林の大切さを伝えるため、親子遠足で国営昭和記念公園に出かけ、自然を体験しています。
近隣の方にご協力いただいたきながらさまざまな栽培活動に取り組み、積極的に地域の方と連携した活動も行なっています。
園内だけではできない活動を取り入れることで、より自然に親しみ子どもたちの自然への興味関心を広げています。