東京の木・森のしごと

5-4 木育授業の事例

府中市立府中第四小学校

授業の内容

過程「いかす」

現状の課題を踏まえ、今後にどういかしていけばよいかを考えます。

【8時間目】公開授業

日本の森林が抱える課題について捉え、解決するための取り組みに関心をもってもらいます。

これまで7回の授業で、森林の役割、森林をどんな人がどのように守っているのかを学んできて、一度まとめ、一件落着だと思わせた後にこの時間で、現実が抱える更なる課題意識をもってもらいます。
こんなに頑張っている人がいるのに、実は森林はまだ整備が不十分だということを知ることで、このままだと森林が守られない、役割が保てない、という意識になります。


整備が行き届かない人工林グラフの画像

『森林を守るために、どのような課題があるのだろうか。』

次の現状を把握し、課題について調べます。

・林業就業者が年々減り続けている。(林業家が減っているから森を守れない。)

林業で働く人の変化グラフの画像

・人工林の蓄積量が増えている。
 (国産の木材があまり使われていない。本来商品になるはずなの木がどれだけ溜まっているか)

日本の森林蓄積量の変化グラフの画像

・国産材の認知度が低い。
 (森林に対する国民の関心が低い。賃金や労働条件の問題から林業家が減っている。)

↓↓↓

『木を伐りたくても伐れない現状がある』

(本当は切りたいのに切れないでいるか)

「日本の森林蓄積量」からもわかるように、使える木がこれだけあるなら、日本は国産の木をどんどん使っているはず。しかし、実際は森林自給率30%程度となっているのはなぜかなどを、林業家の方の話を紹介しながら話し合います。

また、2年前に起こった、山林と離れている鬼怒川が氾濫した写真を見せ、自分たちの住んでいる小金井市も他人事ではない、人工林を整備しないと川が氾濫したり、災害が起こると国・政府も言っていて、森林をこのまま放っておくと自分たちの生活にも大いに影響が出るという危機感が子ども達に生まれます。

【次ページ】 授業の内容 過程「いかす」(続き)